今宵の月のように【k】



バンドは殺し合いなんだ。
音楽が人を救えるビジネスになってしまったとしても、お客が増えれば救われる人も増える。
外へ向かわなきゃ、いっさいは通り過ぎるだけなんだよ。
ここにいる。ということを、悪名でもいい轟かせて欲しいんだ。
えんそくさんはデカくなるべきバンドさんだよ。
って他バンギャちゃんが言うてくれるのを聞いて、いつしか帯びてた葛藤が晴れ申した。



月蝕 探しに行きましたか?

上を向いて歩きましょう。

カフカです。



 「私売れるバンドしか好きにならないです。」属性のギャなので、

「アマ盤向いてないんじゃない?」てよく言われるんですけど。そうなんですよ。

「小さくてもお城はお城。」ていうのがわからない。


バンドは軍だと思うんです。

この業界、強いバンドしか生き残れないのに悠長に構えてお城築いてる場合じゃなくないですか。

戦略練って要塞作って徴兵して、いざ戦争です。
お城の中を綺麗に飾るのは大国築いてからでも出来ます。

強いバンドさんが振るう蛮勇が好きです。
ぶちかましてやるよって鋭気が好きです。
V系は音楽業界のコンテンツとしてナメられ気味だからこそ自由です。
パクリ、オマージュ、◯◯芸人と、何でもありです。

五感すべてが侵入経路足り得ます。
観客の脳髄を麻痺させてあらゆる刺激をより多くの好感に注ぎ込んだバンドの勝ち。
フランスの軍人さんも言うてましたね。
軍の右翼が押され中央は崩れかけても撤退は不可能。状況は最高と嘯いて、反撃を開始するしかないんです。
全てのバンドが売れるか解散かの二者択一。
ここは生きるか死ぬかの戦場なんだから、群雄割拠で当たり前です。

ギャが内側から浸食しとる場合じゃないんですよ。
そこそこ楽しい幻を魅せて小さくてもいいじゃないとかね、慰安婦になってみるのもいい。
それぞれ適性がありますし役割は様々です。

ただし、V系には消費期限があります。
駆け上がることが出来る期間には限りがあるんです。
バンドさんには、どうか自ら死なないで欲しい。
殺してでも生き残って欲しい。
外界ではおびただしい数の可能性が、その音楽の波及効果を待っているから。

どこよりもその作用に長けていると体感するバンドさんを好きになるから。
だから、非常に平均的なバンギャのセンスを平均的な感度で持っている私が好きになるバンドさんは売れます。
どこにでもいる私が、外界には沢山いて、その人たちは皆私のように夢中になる筈だから、届くまで響かせて欲しい。

そして、死力を尽くした先、相応の賞賛がその身に余すところなく降り注ぐように。
相応のステージへその成果が結び付く日が1日も早く訪れることを、祈って止まないのですよ。

ずっと頑張り続けている背中に、
世界一かっこいいです。
だからこの位の規模でもいいじゃない。
神様になれなくても貴方は私のスターだから。
と声をかけたくなる気持ちもわかります。

でもあなたの傅くその人は、そんな無責任な賞賛でくるんで、私たちのためだけにここに閉じ込めてしまうなんてもったいない逸材じゃないですか?

売れましょう。
世界を相手取って、見返してやりましょう。
これまで飲み込んだ鬱屈全て、見事に晴らして余りある成果を上げましょう。
歯を食いしばった苦境もみんな、笑い飛ばせる日を迎えましょう。

素晴らしいあなた方に。相応しい舞台を。

それを言えるのは、今彼らに敬意を払い忠誠心を持っている、今の私たちだけなのではないでしょうか。

がんばってください。ともう頑張っている背中にかけるのは忍びないです。違うのかもしれないなって思ってしまいます。
それでも、私たちにしか言えないのだから、声を大にして叫んでいましょうよ。

頑張ってくださいと。
期待していますと。

世界中の私にあなた方の音楽が届く日が1日も早く訪れますようにと。



アマ盤が好きなギャさんと、この思想が全然合いません。
でも合わせる必要もないんだなって、気づきました。
売れようと勝負どころを過ごしているバンドが好きなギャなんかゴマンといて、たまたま私はその1人だというだけです。

思想が異なる層だからって向かい合ってジッとしてちゃつまらない。
バンドさんの指し示す先を見据えて、それぞれの肩を並べていれたらいいなって。
憧れの背中に手を添える人がいれば、押す人がいてもいいのかなと思ったので。
勝手に卑屈になって、すいませんと思うのはやめます。

みんな違ってみんないい筈ですから。
バラバラの好意かもしれないですが。
みんな好きでいんじゃないですかね。


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いやー、ただいま。

私もえんそくさんが好きです。