声を、聞かしてくれ。

正しい世界の終わり方。リリースデイ おめでとうございます…!!!!
ありがとうございます…!!!!爆裂爆裂。

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衣装も続投ということでお赤飯を炊きました。
作品自体、イェー超充実の内容で、これで1500円というのは有無を言わさぬ 大特価なのではないでしょうか。

この度は発売前キャンペーンがですね。
良くって。とっても。売れておいでだったー。
全員参加のロングインタビュー記事 とニコ生出演。
ここからして とても嬉しかったのですよ。
芸・能・人!

インタビューでは、実に赤裸々に。
各々方が初めてといっても過言ではない程、腰を据えて 公の場で頭の中を語らっておいでだったですね。

こちらね。ビジュログの特集記事。
http://v-kei.jp/interview/?interviewId=180

モノづくりの過程での創意工夫が作り手によって語られるのとか、とても需要あります。とても。プロジェクトエックス。プロフェッショナルの流儀。情熱大陸さながら。
だからとても嬉しいですし、戦闘員勢は咀嚼するように隙あらばこれ読んで過ごしてるんじゃないでしょうか。

ニコ生での発売前夜祭も、なんだか非常にこう、多分姿勢なんだと思うんですけど、今までに拝見してた動画等とは全然違うような気がしました。
いやかっこいいなぁ…えんそくさんって…。

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わかる奴だけわかればいいスタイルと 完全に生き別れて来ておいでだなって。
伝えよう。目にもの見せてやるよ。というような、気迫になんだか、増されましたかな。
相変わらず、場を面白がりながらも、目の色が違う気がしますね。

この二つを受けて、あと特に、
えんそくとは “壮大な青春” である と。
インタビューの中で啓示があったんですが、それを念頭において、この度の「正しい世界の終わり方。」を拝聴したらば、すごくストンと来ました。

なんというか。稔さんのお見送りの際、文面でメンバーさんが叫んでらした、
「だいじょうぶ。心配ないです。我々がえんそくですから。」
が形をもって作品化されたものに聴こえて。
“声を聞かしてくれ!”と再三叫ばれるこの楽曲は、聴き手が一番 敬愛するえんそくさんにこそ 聞きたかったことを歌い上げて下さってるように思いました。

どうしても、これ多分ただの私のクセなんですけど。
V系に限らず バンドなりアイドルなりショービジネスのものは、商売として観ちゃうので。
ライブ中は頭スパーン!しとるクセして、いざバンドさんに思いを馳せた時に、全然考えなくて良いこととか考えちゃうんですよ。

例えば、本当にいらんことなんですけど、メンバーさんの心身の消耗に、消耗すんのはしょうがないにしても、何かしらのケアは追いついてんのだろうかとか。
バンドの方向性とかは、ご本尊様の意思さえ見えれば どっちでもいいクセして、不意にパッと浮かぶのはそんなんです。
一般職の我々にとってさえ、職場なんか戦場ですから、笑顔の下では足の引っ張り合いだったりもして、そこに楽しさを求めるのはやっぱり違ったりするじゃないですか。
ほんで忙しなくしてて、体が弱って心が弱った時に、戦場には帰りたくはないでござるよな。
人は苦痛それ自体に音を上げるのではなくて、苦痛の無意味さにこそ絶望する らしいんですよね。
先行きに期待が持てないとか、割と逃げ出したくなるじゃないですか。

だもんで、バンギャが、バンドさんを観てて安心する境地って、別に規模とかじゃなくて。規模じゃ無いがゆえに だいぶハードル高いのかもしれないんですが、そして何より 余計なお世話なんですが。
メンバーさんが、バンド続けたまま、好きな人と結婚してーな。とか思った時に 出来そうかどうか。
嫁、なんじゃないかなって、こないだアラサーバンギャの寄り合いで定義付けがなされたりしたんですよ。
ご本尊がされたくないならいんだけど、したいのに出来ないとかはさ、我慢は良くないからさ。
指標の一つとしてね。アラサーっぽさぱネェ。

昨今のV系は、バンギャル目に観ても、割とフランクに直球で 好き!がぶつけられてますから、私生活では是非ともマッタリと安心して眠りについて頂きたい。
バンドマン様方の元に、心身共に金銭面も併せて、その程度の余裕を齎せるかどうかは、多少バンギャの手腕にかかってるところもあるのかもしれんなと。
音楽で食べていけるかどうか、ってところに、金目の者であるところの お客の作用は要るのだろうから。
お金儲けが本業の大人が、コンテンツとして召し上げようと思うところまで、バンドさんを押し上げるのは、微力ながら バンギャの働きかけも、やっぱり要るっちゃ要るんじゃなかろうかねと。

そんな想いで観ちゃうもんで、えんそくさん、未来あるんだから、もっともっとお金儲けした方が良く無い?とよく思っていました。ます。
昨今はえんそくさんの水に慣れて来てか、だいぶその辺りの観念は緩んで来てる気はするんですけども。
「そっちでもインストあるからCD買うて来てくりゃれ。」って言うたら。
「どの形態を、何枚?」って返って来て、
あ、そうだったそういうところだったわって、
ハッ…!としたりしてるんですけども。

そんな風に先行きに思いを馳せるのも、
なんだかんだやんなって辞めないでほしい。
っていうただそれだけの 消費側の漫然としたエゴでしかないです。
バンギャルはただ、音楽を辞めないでほしいから、好きなバンドマンさん方のことは、各自思いつく限りのチヤホヤによって、腕によりをかけて 幸せにしたい生き物だったりする。
んだと思います。

そんな購買層へのこの「正しい世界の終わり方。」という作品がもたらすアプローチは、なんか そんな 凝り固まりに 風穴を穿たれた想いがしました。沁みたーー。

ジャケットの女の子がスカートを広げる様は、閉幕の所作であり、開演のご挨拶でもあるのじゃないかなって、思いました。

「正しい世界の終わり方」と「惡のミカタ」は表裏一体なんでないのかな。
「流星雨」というファンサービスを経て。
「異聞・正しい世界の終わり方。」にて 「惡童のススメ」シリーズはカーテンコールを迎えるのかな。

こいつぁー 一編の映画を鑑賞したような、ハードカバーの小説を読み終えたような後を引きますね。
この一枚を聴く前と後では、少なくとも私の世界は一変しました。

救う側もまた救うことで救われたり、するのかもしれない。
救われる側もまたその手を取ることで、救い主の世界を色づけたりすることも、もしかしたら、あるのかもしれない。
だから、どれだけ醜くても、身汚くても、身勝手にヒーローに憧れて 勝手に救われてたって良いのかもしれない。
野蛮になるくらいなら べつに弱くても良いのかもしれないですよ。

【君が声を出さすに泣く理由が この正しい世界にあるのなら 正しくなんかなくていいよ】
【思うままで行こう 笑っちゃえばいい どんな時も】

えんそくさんの歌詞はバンギャから見ると依存の余地があり過ぎて、もっとお客のこと突き放さないと、怨霊化したお客に祟られて バンド取り潰されるんじゃないの。とよく心配されます。
私もたまに そう思います。

だけど、これだけの救済を、物語の一つの結末として仕込んで、壮大な青春 としてやってのけるのが えんそくさんならば。
お客はただ、その勇姿を前に 笑ってたら良いのかもしれんですよ。

それぞれの生きる世界は代わったり、変わらんかったり、いつの間にかひっくり返ったりしているようなモノなのかも知れないですけども。
この声を聞かして貰えたことで、私は シャキッ…!っと、肩の力が抜けました。

なるようになるのが世の理なら、こんだけ徳の高いことしてる人たちが 売れなきゃウソだろと、アカシックレコードに掴みかかりたいような気もしなくはないですが。

幸せにします。でなくて、
幸せにしてください。でもなく、
いつかのぶうさんが言い放ったそれを借りれば。

幸せになりましょう。

その境界がようやく私の目にも見えた 問題作であり超大作な 本作でした。