ワンサパナタイム イン ホリデー【k】



『うちの部長 ディルと対バンしたことがあるんですよ。』
って誰かに言いたかったけど、就業期間誰にも言えなかった元職場のバンギャル会@ビアホールに昨夜お邪魔して来ました。

最近のたぬきはヤフー知恵袋化してるんだってね。という話題の時にね。

あ、たぬきというのは、
殆ど全てのライブのチケ代+殆ど全てのライブの遠征費+家賃分位の貢ぎ金を、
バンドマンの方に毎月奉納しているような 公私共に大変な貢献者のギャの方々が、
例えば間違って上半期 金額にして幾ら納めたかを計算してしまったストレスでブチ切れそうになった時、
(↑去年のSWで 聞こえてきたのを 明朗だったので引用させて頂きました)
その鬱憤と憎悪を本人に代わって受け止めるところで。
あの男…私以外の女からチヤホヤされなくなればいい…!!と誰かが泣き笑いしながら打ち込んだ一文一文は主に目にした誰かの人心操作を目的とするもので、本当のことなど何一つ書いてないブラック大喜利の現場みたいなところですから。
たまに本当の情報が投下されることがあればそれは、リークして 私の男だった男を困らせてやろうという 破れかぶれな狂女の最後の所有欲が破裂した結果なので、
その気迫を肌で感じて 耳にした者がすべからく内心で南無三するような。

そんな、健康体のゆるく通っているギャが暇つぶしに覗いた中身を鵜呑みにしてライブハウスなんかで話題に出すと、
無課金ユーザーが重課金廃人の本体を死体蹴りしている構図に似てしまったりして、なんか品位のかけらも無いし。
誰かの地雷を踏むことも多いので、
まじでやめた方がいい “呪怨の坩堝”です。

たぬきの話題ばかりの子というのは実はちょっと、
過去には、私生活が暇で出歯亀根性座ってる他人の不幸が大好きなコ、
近年では、きんぱく新規を隠したくてプルプルしてるコ、
もしくはその両方、と蔑視されるキライがあるので。
よっぽどその場にぴったんこなトピックで無い限り、よっぽど仲の良い馴染みの間柄以外では、そんなどや顔で話題に出したら結構恥ずかしいやつなのかも知れないですよ。

心配いりません。
張り付かなくても、自分が話題にでたら誰かが必ず教えてくれます。
なんなら、元本命麺が一大フェスティバルを催した際でさえ、当時の友好関係各位から、「げんき?」って私が元気か確認するメールが何通も届くので察しがつきます。

ちなみに、
[たぬきの話でごめんけど(*´・ω・)]
という、これをアタマに付けて貰うだけで ゆるっと好感度が上がる魔法の言葉があるので、良かったら世界平和の為に使ってみてください。

なんにせよ、その辺の認識が近頃均一でないよ、アングラが世間様に半開きでどうするね、という話題の時に。

「伝統はルールじゃないから、年寄りが伝えねぇと受け継がれないさ。」

という結論にいたって、なんかちょっと反省ムードになりました。
カフカです。


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2マンでしたね、えんそくさんとマイナスさんは、私にとってすごく相性がいいバンドさんで。
そこで流星雨をぶっこむえんそくさんというのは、もーたまらんなと思います。


この二つのバンド、というかマイナスさんはハルくん、えんそくさんは特にぶうさんミドさんクラオカさんかな、
このお方々を、だいーぶ前にホリデーとかで観てたことがあります。

推しになってしまってから言ったら客バカですが、
当時は何なら今より浮いてましたハルくんもえんそくさんも、イケメンで。
昨夜の飲みの場でも ライブで見かけたことがある層は、そう称していました。枕詞として『なんかむだに』をくっつけて。

かっこ良くて浮いてましたが、バンギャル相手に売れるとは思ってませんでした。
語弊を恐れずにいえば、みなさん、なんだろう、運がなかったし、多分 がんばりどころがズレていたから。


まずハルくん、見目麗しい若手のボーカリストだった彼がキボウ屋で入った事務所が選りに選って地下線でしたね。

地下線というのは、年中ツアーしていてライブ日程が2日に1公演刻みのスケジュールなので所属条件に“バイトを辞める” が入っているはいいものの、会社からお給料が出ないので、ファンの人から貢いで貰って下さいがオフィシャル発信されている事務所で。
近年ネタにされている、繋がりギャで客席の殆どを埋めるのを地で行く コテ盤の巣窟だったところです。
お客のほとんどは最初に述べたテンションそのもののたぬき常駐がデフォルトでした。煌びやかな怪獣。

キボウ屋で組んでいたメインボーカルのもう片方の方はなにしろ今なお語り継がれている浮名高いおじさんで、
その小脇に流星のごとく現れ鳴り物入りで加入したイケメンのハルくんが。
キボウ屋解散で、
「ぼくはバイです。」
と涙ながらに仰った逸話が、
鬼気迫る様子からたぶんゲイなんだろうけど、女を抱けないなら地下線でどうやって生活してたの。
という戦慄と共に口コミで拡散した為、余りにも有名です。
ご本人もこのエピソードの呟きをRTしてましたね。

伝説の告白が故に、というか、そんな並々ならぬ負担を感じさせないほどにメインボーカルさんの傍でかすみ草のように微笑むキラキラしたハルくんは、
もしかして:男性の趣味が幸せになる上であまり芳しくない 疑惑を残し、
見かけたことがあるバンギャルの記憶には余計なお世話ですが麗しくのこっており。

彼は大変だったんだから、幸せになって欲しい。

みたいな意識は方々のギャの胸に潜在的に植え付けられてはいるのでしょうが。
キボウ屋のハルくんと、マイナスのハルくんが同一人物だと知らない民が大半なのが勿体無いような気もします。

当時のハコでどんなバンギャにもごく親切にして下さって 狂犬じみたバンギャルをとことん手名付けていらした人格ファンのリスナァの方々、によく似た風貌のお嬢さんが特にこの間の大阪2マン後列に多数散見されたので。
バンドマンでありながらどこかバンギャルでもあるハルくんを、そしてマイナスさんを、幸せにするんだ。
という覚悟を帯びた聖母っぽい微笑みをたたえた彼女たちのようなお客さんがついていて、なんだか感動しちゃったりしてたのですが。

年末のトーナメント戦の折なんかも、彼女たちならば 諸々全部承知の上、そうだね、勝ち上がりたいよねって微笑みながら、その背中を推したのだろうと思います。

私なんかは了見の狭いから、昨夜のバンギャル会の内の一人から電話で。
「マイナスって知ってる?」
「知ってるけどなに」
「今でんくるのトーナメントで(以下略」
「マイナスのハルくん、キボウ屋のハルくんだよ。」
「………まじでか。」
というお互い半ギレの応酬があってからというもの、
いつかの類似トーナメント開催期間、
決勝戦が行われる前に優勝バンドが公開されるミスが起きて おい運営。ってバンギャルを苦笑させた一部始終はあったものの、今回こそ八百長じゃないにしろ。
勝つにしろ負けるにしろ。
なんでマイナスさん巻き込むかなーー。ってもんどり打っていたりしました。

流行 や ランキング一位 をビーチフラッグみたく奪い合うバンドさんが多々ある中、どうして表現者として初期衝動を自分の音楽や声で 具現化することに生死をかけてるバンドさんを巻き込むかなーー。って。
48G総選挙と一緒でショービズなんて台本ありきなんだろうし、バンドさん側も何かしら得るものはあるのだろうし、出場バンドさんそれぞれにセコンドみたくついているゼーレみたいなおじちゃんたちによる八百長相撲でもいいんだろうけど。

お客に大々的にバレてるその脇の甘さからしててんで良くなくて、ちくしょう。って思っていました。

きっと大変なんだろうけど、具体的な想像もできないし、一般企業でも上に行けば行くほど怠惰なおっさんが増えるもんで、バンドさんの後ろで商売をしている大人の皆さんにはどうか、自分の手にしている品物が人間だと自覚をしっかり持って貰いたい。
上に乗っかってる人が音楽に興味がなくてもいいや。べつにお金儲けでも 税金対策でもいい。
ただ、夢 とか言ったらクサくて笑っちゃうかもだけど、人生を賭けた大勝負のその一部を担っていること、たまに立ち返って自覚して欲しい。

でもなー。
商戦を仕掛けてもらえるとコンテンツが活性化もしますから、あんな企画は祭りみたいなものなんで。
どかんどかんやって貰ったらイイと思いますねー。
そこに駆り出されたというのも、何かしら 認定されたからなんでしょうし。
くらいにして。
のほほんと構えるべきだなー。と近頃は思いますよねー。
腹を立ててもつまらんし。楽しんだ方がいいやって。

ただ、あの時は、振りかぶって んもう!ってなってしまっていて。
追い追い、優勝バンド動員のコが、
「マイナスさんはファンの方共々、その熱量である程度の台本をひっくり返して戦局を得て来たんだなって説得力があったよ。」
と、会場の熱気について熱心に語ってくれたので、票数四人分差での敗退なんか自力の武道館フラグっぽくてカッコいいしな、って溜飲が下がった年末だったんですけれども。

そんな最中行われたカウントダウンイベントで、ぶうさんは仰いましたね。

「優勝バンドなんかより、マイナスが勝ちゃ良かったんだ。」と。
吐き捨てるように。

泣けました。

あれは、自分を恥じることなく 誇りを汚さずに 同じステージの上で 同じ世相を戦い続けて来た人の声だったんだと思います。

誰かに嫌われるかもしれないくらい思い切らなければ、誰からも好かれないってよく言うじゃないですか。

何年か前のぶうさんも、あんな凛々しさで お客さんに、
「両足の爪先をつけたままのジャンプは、ぼくの国では背伸びと言います。ちゃんと両足を空中に。こうです。」
と、ジャンプを見せて下さいました。

ラジオ体操第一 から始まり、
さんぽ のその場足踏みを挟んで、
でんでんでんぐり返ってバイバイバイ でシメる。
オリジナル曲のまったく記憶に残らない狂気的なセトリを披露して、おきながら。
真顔でもっともらしくそう言い放つ、妙に凛々しい小柄なボーカルに、
不機嫌なバンギャルも何人か、ちょっと笑ってしまってたように思います。

この敬語なのにふてぶてしいMCをするボーカルさんと、ラジオ体操なんかをキビっとやり切る脇を固めるメンバーさんが、地下のライブハウスで観るとすごく違和感のある男前揃いで。
リア充軽音部の学祭披露的なその催し物っぷりに。
「(リアルFFと名高かった)ベルジュラックより顔は好きだけど、これはなんなの。」
と潜めた声で耳打ちされて笑った記憶がありますもんな。

他のバンドが赤や青の照明の中 転げ回るように呪詛を吐き、咆哮し、愛や嘘や未来や十字架の歌を歌い踊る中。
その 邪道なくせに、やたらと正々堂々とした佇まいのバンドは、これメイクとっても美形なんだろうな。という確信をバンギャルの心に植え付け。
後のジュアルケービーのように、今で言うマンウィズアミッションの中身とかやってる人たちが、趣味でV系やってみてるのがえんそくなんじゃないの。
という疑念を与えていました。

その頃、キラキラしたハルくんがメインボーカルさんのMCにニコニコと相槌を打っている関西では、
全く同名の『えんそく』というセッションバンドが、バス旅行しますあなたのお部屋にメンバーが訪問しますよ。というピンク色の企画とビラを拡散しまくっていた為に。
関東の現場で観て理解の及ばなかったバンギャルが、関西のバンギャルに、
「えんそくって知ってる?あれなに?」
と尋ねようものならば、そっちのえんそくとの情報が混ざって、ものすごい濡れ衣をかぶる事態に陥っていただろうことも想像にかたくありません。

当時、困惑のえんそく終演後に、目当てのバンドさんを待っていたところ。
今のところどこが良かったかね。という話題が出て。
「でも、えんそくさん面白かったよ。」
と誰かが言った時、
「ありがとうございます。」
と愛想も素っ気もない凛々しい顔したぶうさんが、ドリンクを両手に頭を下げているのを見かけたことがあったので。
あ、なんかちゃんとしてる…のかもしれない人として。
と、バンギャル一同は更なる混乱を胸に秘めながら、あ、って会釈を返していました。

あれから数年。
年末カウントダウンでのえんそくさんは、
相変わらずイケメンではありながらにして、
たけちゃんまん みたいな格好のボーカルさんが曲名を声高らかに叫ぶと同時に。
上手からモーツアルトみたいな髪型をした はだかんぼうのお兄さんが。
「それはやりません。今日はメドレーをやります。」
と宣言。
目をかっぴらいで驚いたボーカルさんが、その提案を打ち消すようにもう少し大きい声で。
「やりません。なぜなら俺が練習していないからです。」
と応じるところから、非常に嬉しそうな はだかんぼうさん と ぎこちない笑顔の たけちゃんまんさん による大声大会がゴングを鳴らしたのですが。
それにごく大人しくしていた下手のインディアンの方がフロントの彼を指差し。
「あなたは誰ですか?」
会場中の頭上に浮かび上がる『?』
「あなたはえんそくのボーカルですよね?練習しないと、できないんですか?」
会場中の頭上に浮かび上がる『!』

という力技のもと始まったメドレーは、ボーカルさんがサビを歌わせてもらえず、半ば発狂しておられ、なんせほとんど全てが振り付け曲だったので。
どアウェイの会場を、数年前のそれより格段に強力になった さらなる混乱に叩き落とすことになったのは言うまでもありませんが。
その日の最後に歌い上げられた 流星雨 で、戦の後のマイナスさんとその軍勢たるファンの方々に、労いの雨を降らせて、怒濤のように次の現場へ向かわれましたね。

終演後、他バンギャが口々に楽しかったねと気色ばむ中、連れ合いのお姉さんと。
「誰がえんそく通ってたっけ、誰ならこの顛末の説明してくれるんだっけ」
と話していたところ。
会場の性質上、客席ドシモをがっつり突っ切って行かれるえんそくさんがいらして。
誰かが投げかけた『おつかれさまです。楽しかったです。』の声に。
ぶうさんが立ち止まって、
「ありがとうございます。」
と、凛々しい顔して会釈しているのが見えました。

その感じが、相変わらずで。
このバンドにはうれてほしいなー。と思いました。

V系バンドはV系だから、ワンマンでキャパ800のブレイズがスカスカでも、オリコンチャート10位代に食い込むことができます。
タネも仕掛けもありません。…あるのかな?事務所が一枚かんでるかもしれないけど。
でも インストのやり方で、バンギャの好意はその位のドーピング材料になります。
V系でいること、の利点として、モノが沢山売れるというのがあると思います。
でも、それだけでは、やり切れないだけの消耗があるんでしょうね。減らないものじゃないのでしょう。
何かと生活の負担になって、潰れてしまっていなくなってしまうバンドさんも、ここ数年の間にも、たくさんいました。

沢山売れる代わりにV系は寿命が短いです。
1年目で100人集められないなら畳んだ方がいいと言われてる程ですから。
軌道に乗らなければ、ご破算はしょうがないことです。

えんそくさんは、お客から儲けようという気があんまりなさそう どころか。
何かにつけては無料になさるし。
果たしてなぜV系やっているのか甚だ疑問の残る点もありますが。
その理解は及ぶことなどないように思います。

媚びず、同情もひかず施しも受け付けず、不幸をひけらかさず沈黙を誇り、心配かけないように がんばりつづけてる、そのぶっきらぼうな男性性は、すげーシブいのですが、やべーイカスのですが。
可愛いものが大好きなバンギャにはわかりにくいかもしれません。
でも、その無骨さが比類なきバンド色になっているのは確かです。

えんそくさんはかっこいいです。

マイナスさんも麗しい。

バンギャが怯むほどの、キラキラっぷりや若々しさと引き換えに。
各々方が、より説得力ある地力を、存在感を身につけて来たのだと思います。
ここで、ステージの上で、実直にがんばっていらした成果は確かに、そこに見えていますんで。

その音や声が、救済になるそれぞれの層へ、深く深く浸透して、その前途がより良いカタチで 武道館に繋がることを切に願います。