稔さんのお見送りに寄せて


星は宇宙を巡っている時にはきっと、

自分が星だと 気づかない。


って、今読んでる漫画に書いてあったな。

と、そう思い返しながら 度々喉に詰まる 稔さんのご挨拶に聞き入っていました。


いつも白塗りの稔さんの表情がよく見えたのは、皮肉なことに、私にとっては これが初めてで。

そして。

最初で最後の ありのままの稔さんは、


まばゆい程晴れやかな笑顔で、

我々に手を振って行かれました。



f:id:kafkaR:20140906033233j:plain



いつもお化粧の下に隠してあるバンドマンの方の持ち得る孤高や葛藤が、少しだけ垣間見えたようで。

そんな有象無象を一切合切 飲み込んで それでも微笑む稔さんは、本当にカッコ良かったです。


http://ensoku.in/news/1163.html


やめないで と言うのはきっと余りにも簡単で。

やめます に付随する諸々を 空想するには私は余りにバンギャルなんだろうな。


でも、

こんなに円満な脱退ライブなんか、どこにもないんじゃないかって。

こんな時でも、お客一人一人の笑顔に責任を持とうとする 5人のえんそくさんの有り様を前に。

私は無責任なバンギャルだから、

えんそくさんって世界一カッコいいじゃねーかって

それ見たことかと。

また新鮮にそこにピンと来ていました。


何も知らないですけど。

稔さんはずーっと頑張ってたんですよね。

だって、ムリをするでしょうよ。

人前に立つにあたっては、誰もが。

だけど、思うように動かない身体というのは、好きなことする上で激痛が走るコンディションというのは、どれほどのプレッシャーなんだろうな。

特にドラマーさんは身体壊しやすいって聞きます。

そんなムリを、もうずっとし続けて下さってたんでしょう。

その心身を余すところなく使ってさ。


バンドの為に身を粉にしたこの歳月の何倍何十倍。

稔さんには稔さんご自身を 大事になさって頂きたい。


この脱退が、稔さんが稔さんとしての人生をまっとうする為の決断ならば。

そんなもんどこも後ろ向きじゃないので、

これは、めでたしめでたしの為の離脱になる筈です


今夜の稔さんが一番カッコ良かったじゃないですか。

赤いウィッグも、黒いタオルも、ドラムスティックも、

世界中の誰よりきっと似合っておいでで。

今夜の稔さんは間違いなく 世界一のドラマーでした。




4人のメンバーさんにとっても、

すんごい夜だったと思います。


振り返ってみてやっぱり。 

変な言い方ですけど。

すーげえ えらかったですよね。


こんな送り出し方が出来るだなんて、本当に隅から隅まで男の人で。

純正の男の人だからこその 格好良さを体現されてました。

魅力的なバンドさんです。


ファンなんかビックリする程 何にもできないですよ。

ビビるもの。無力で。

でも、観客でいることだけは出来ます。


5人の先行きが、

ハッピーエンドに より良い形で結びつくよう期待して。

手に汗握り 感涙に咽ぶなどしつつ、

えんそくさんに、ついて行きたいなと感じ入った 笑顔の門出でした。