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▽字が勝手に大きくなるのは仕様みたいです。

 

この間の記事には しれっとURLをね。

足しただけだったんだけど。

 

今日ライブを拝見して、稔さんのいないえんそくさんを。

ミドリーダーさんの言葉を借りれば、

“しかし、もう大丈夫です。”

“我々がえんそくですから。”

そういう形態でのえんそくさんを、目の当たりにして。

 

http://ensoku.in/news/1163.html

このご挨拶に対しての感想文とか、書いておくべきなんじゃないかと、なんかフッと降りてきたので、書きますね。

 

本当だったら ここで。

藝祭で初めて えんそくをご覧になられて検索をかけていらした皆さん。

こんばんは。戦闘員 カフカです。

とかやるところなんですけど。

口コミは鮮度が勝負だから。

 

でも、ちょっとマッタリでアレなんですけど。

稔さんがいなくなったんだなー。って思ったんですよ。

だもんでちょっと。向こう見ずに徒然したいと思います。

 

その事実に抱いた初めての臨場感は、一昨日のライブでのものでした。

神楽坂エクスプロージョンという変なV系の聖地で行われたその催しは、

“一人同士のボクラ”というメンバーさんが各々ソロプロジェクトで、ハードコアなことをする というか、ハードコアになってしまう そういう特殊イベントで。

誰かは 創造したり創造し直したりした楽曲をDJしてフロアを湧かせたり。

誰かは ゴリラが憑依したようなモノマネを数十分に渡って行なったり。

誰かは お1人以外全員TAKな5人編成のB'zのコピーバンドになってみたり。

誰かは マスターオブセレモニーとして司会進行を一手に引き受けていたり。

そんなお楽しみ会での一幕で、ドラムの方が脱退されるという、

それはまさに空前絶後のサプライズだったんですけど。

それにはそりゃーもう 驚いたりしてたような気がするんですけど。

あれはショックというよりも どっちかったら。

えんそくさんってホントに何やっても 新鮮なバンドさんだなというような、衝撃でした。か?たぶん。

 

だってね。

脱退ライブの日に、そんなことはおくびにも出さず。

ひたすらカッコ良くオーディエンスにヴァイブスを感じさせちゃったりね。

見る者の脳が認識を改める程 人外になり切って爆笑の渦を巻き起こしたりね。

誰より気持ち良さそうにB'zを 余りにもしっかりしたB'z感を そんなにB'z知らないであろう女子の集団相手に目にもの見せたりね。

送り出す側が四人四様に、そりゃーもう非の打ち所がない程に 自分がやりたい事をやりたいように やり切ってたんですよ。振り切ってたんです。

各方面にときめきっぱなしだったし、笑い疲れたし、楽しみ尽くしたし。

さーもう、今夜は気持ち良く眠れるぞってとこで 脱退のご挨拶。

も、完全に予想外でした。

稔さんの脱退が、じゃないです。

それをひた隠して メンバーさん達が、お客を楽しませ尽くしていたそれまでが。

神懸かりな 多幸感に満ちていた それまでが。

こんな どんでん返し を前に、それでもお客の笑顔に責任を持とうとしていたメンバーさん方それぞれが目の奥にたたえた その、プロフェッショナルぶりが。

もう、お客の期待値を遥かに上回っていたが故の 予想外でした。

稔さんのお見送りにあたって泣くお客の涙さえ、ひっくり返して笑わそうとするそのエンターテイナーっぷりが。

既存客の予想を裏切る高水準に設定されてることに、遅ばせながら、私も気づいた瞬間でした。

その時にね。

あ、大丈夫なんだわきっと。

って思ったんですよ。

したら、笑ってようと思って。

人間、誰かになんかしてあげたいと思っても、ご機嫌でいることくらいしか出来ないし。

なんせ、ここでもう何年も、実直にときに不器用でも芯を汚さず バンドマンとして 人生を賭けて 闘いつづけてる人たちが、

こんな局面でさえ お客の憂鬱を散らそうと、ステージ上で 一世一代の悪ふざけをしてるんだから。

我々観客は、ここから先はもう笑ってたら良いんじゃないかと、思ったんですよね。

 

こんな土壇場でそんな立ち振る舞い。

とんでもない人たちなんだな。って思いましたし。

やっぱ 世界一かっけーわ…って。

それぞれが もっと広く広く知られて もっともっと もーっと 評価されて欲しいなー。って思いました。

 

えんそくさんには、常々 男性だなー。かっこいいな。って 憧れっぱなしなんですけど。

この度の 脱退公演 を経て、より。

私もその背中に恥じないように、背筋を伸ばして生きてゆきたいなと、思ったりしましたもの。

ちがうもの。見せるもの。

 

形態は流動しても えんそくさんてやっぱり、世界一かっこいいバンドだと 心底思うので。

なんかさ、お客も相応で在るべきだと。

しゃんとしないとならんなって、改めて省みました。

 

ただでさえ、なんかそんなんだったところに来て。

http://ensoku.in/news/1163.html

これです。

ようやくこの話でアレなんですけど。

ライブはバンドマンさんの本領ですし、ネタバンドという属性に振り切った天晴れなステージはさすがの真骨頂だったと思うんですよ。

でも、文書発表は、バンドマンの職務外のものですよね。

ステージの上でパフォーマンスするにあたって、そのバックヤードを赤裸々に告白するっていうのは、バンドマンとしてのマスクの下から声を上げるっつのは。

下手したら、ライブやりづらくってしょーがなくなるかもしれないリスクを負うと思います。

でもね。

これね。

すごく良くないですか。

主張の方向はてんでバラバラなのに ベクトルは一方向。

「だいじょぶ。心配ないです。」

そこに集約されてってるんですよね。お客に向けた声明発表でこれ程までにセンセーショナルなアレが未だかつてあったんでしょーか。

5人全員の人格がとてもよく表れたイカす文面ですよね。

「こんなに剥き出しの声明文見たことないわ。」って他バンギャからも高評判です。

ね。すごいよね。って えへらえへら しかしたくない。

 

メンバーさん それぞれがバンドと そしてお客に、誠心誠意向き合って 非常に正直に相対しようとしてるのが、ヒシヒシと伝わって来ます。

 

こいつぁー ステージの上でも下でも多少共通の案件なんじゃないかと思うんですが、好きでいるというのはさ。

非常に難しいですよね。

 

おはようございます。
今日は【好きになる事の難しさ】について
 
 
孔子曰く
”これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず”
楽しむ事の強さを語っている。
なるほどそうか、だから楽しめばいいんだとなるけれど、好きになる事や楽しむ事は実は結構難しい。
 
まず ”好き” ”楽しさ” は ”義務” に弱い。
好きだったものを職業にした途端好きではなくなる事があるけれど、仕事にはある程度 ”期限” ”ノルマ” ”品質の保持” が求められる。
やりたい時にやるものが、やらなければならない、に変わった途端好きでいるのが難しくなる。
 
楽しめばうまくなるらしい。
なるほどじゃあこれで僕は成功したいから楽しもう。
既にその時点に矛盾を孕む。
人は直接は ”好き” をコントロールできない。
ある目的の為に好きになろうとする時点で既に本質的な好きではない。
人は何を好きになるか選べない。
 
運命の出会い症候群。
好きなものがないのはまだ出会ってないから。
確かにそれはあるけれど、一方で自分自身が原因して何も好きになれない事も多い。
得する為に好きになる。
愛される為に愛する。
もらおうもらおうとする人は好きになれない。
好きは好きだけで成り立っている。
 
【終わり】夢中に取引は無い。
条件で人を見る人は本質的には恋に落ちる事ができない。
ものを裁くのをやめ、報われなくても構わないと自分を解放した時に、ようやく何が好きかがわかり、楽しむ事ができるように思う。
 
 
上記は 為末大さんによる ある日の朝のツイートなんですけども。

 

4人になるまでのえんそくさんの葛藤や、覚悟が、各々方の飾り気のない言葉で描き出されたこれらのご挨拶は。

いたく貴くて、しかしながら等身大でもあると思うんです。

 

昨今のバンドマンさんて、キャラクター化のデフォルメがだいぶ進んで。

そんなん 非実在の「うたのプリンスさま」とかとどう違うんですか?っていう売られ方をしてたりするし。

お客の側も、それは「うたのプリンスさま」相手じゃダメなんですか?っていう依存の仕方をしてたりもします。

何故か、お客が バンドマンさんから 愛されたいっていう 乙女ゲーまがいニーズが氾濫しとると思うんですよね。

逆じゃね?って、個人的にはなってるんですけど。

 

すんごく男性が故に、えんそくさんの行動は女の目には えらく突飛で 理解の及ぶ次元をすぐ飛び越えて行ってしまわれるんですけど。

個人的にはその、男の人の“わからなさ”を面白がる。みたいな距離感は世紀の大発見なんですけど。

ただ、えんそくさんは各々方の男性性が豊かすぎて、ときに 女の好意を直球でぶつけられてるバンドさんでもあるなって思うんですよ。

その辺が基になって、元ファンの強烈アンチが産まれてたりとかね。

各々方の容姿の色気と才能の色気と バンドマンとしてのスタイルの男前さが故に。

客の女が幼児退行して弱くなっちゃってるなと思うことも度々です。

演者さん方とのバランスが悪いなと。

そこに 甘えてる場合かと。

噛み付いてみたこともあるんですけど。

 

私も含めですが、お客なんか 見たいものしか見ないと思うので、この文面に何を見るかは人それぞれだけど。

心配かけないようにすぐ何でもない顔に隠してしまう 男の人のわからなさ を、これだけ懇切丁寧に、好きなバンドのメンバーさんが 詳らかに して下さってるんだから。

お客の側だってきっとその内、私の!とか癇癪起こした子供みたいなことを言ってる場合では全然なくなったりするんじゃなかろうかと。

 

ご覧の通り、バンドマンさんは、えんそくさんは、生き物で、妙齢の男性で、こんなに悩んで、痛んで、苦しんで、それでもまだステージから。

「笑え!!!!!」

って叫んでくれる訳です。

 

稔さんの正々堂々とした誠意ある告白に心を寄せることが出来て。

ぶうさんのバンドの旗印としての苦悩や決意に ここでまた改めて敬意を払うことが出来て。

クラオカさんによる稔さんとのこれまでの歩みに 知らず知らずの ささくれ立ちを宥めすかされて。

Joeさんの目に映ったこの一部始終の進行に 歩幅を合わせて貰うことで 実情を少し垣間見ることが出来た気がして。

極限まで削ぎ落とした結果か 一番エッジィになった ミドさんのこのご挨拶のお陰様で 他バンギャとの間で、この度の脱退の話題が出ても 「えぇ、グレープフルーツ農家に。」って言っとけば誰も怪我せずに場がマッタリしますね。

最強の布陣。鉄壁のガード。

こんなに大事にされてる客層なんか、そうそうあるもんじゃないですよ。

現実の我々を取り巻くオトナがこんなに優しかったことってありますか。

大事にされてる分、大事にしたいものですな。

我々戦闘員は、えんそくさんが今日も生きていらっしゃる。

本来 それだけで幸せになってしまう珍種属です。

ですから、やっぱり 高き存在であらせられるところの えんそくさんのことも、何やかや 幸せにしてゆきたいなと。

僭越ながら、やっぱしそんな風に思ったこの度の 稔さんの ご帰宅のお知らせ でした。

 

無理をしても 笑顔は笑顔。

笑っていましょうね。