えんそく、夏の陣、開幕。【k】
効率化を目指すなら、満足に機能しない箇所は最初からそんな機関はなかったような顔をして切り捨てるしかない。
その上で弱点を補強する必要がある。足りないところを足す。
そうしている内に、丸くてつるんとした綺麗なものができる。
まろやかな仕上がりは聴衆から大まかに好かれる平均値を獲得することに長ける。
しかし、恐らくえんそくは安全策を取る その選択を良しとしない。
代わりに、各自の長所・得意分野を伸ばして、やりたいことを突き詰め、各々の職人技を磨いた成果か。
バッキバキに尖っている。
足並みを揃えない。
情報量が多くやかましい。
各々のスタンドプレイが一定以上の水準に達した時に産まれる共鳴を、まるでチームプレイかのように披露する攻勢の組織だ。
ころんと丸くはない。かわいくも、ないかもしれない。
にゃっぴーの方が特化させた キラキラしたカワイげ、ボールデンゴンバーさんが確立した 売り物になる親しみやすさ、またそれを武器に変えるしたたかさ。
そのどれをも持たない。
今や主流のそれらの流行だってそれ以前は特殊技能であり、この時流は、いくつかの時点でいくつかのバンドが命を削って作った成果とも言えるし、外野のギャやライターたちが流布したストーリーに則った結果ともいえる。そのV系史をここで拒絶するつもりは毛頭ない。
一方で、いつからバンドマンは良い歌を歌えて、良い曲を書けて、演奏が上手くオーディエンスを盛り上げる能力に長けるだけじゃダメになったんだと。
千円のCDを買うお客を一月に10万円使うお客に育てるためにだとしても。
バンギャ相手に媚びてるバンドマンなんか崇拝できねーよ。という意見もある。しょうじき、すげーわかる。
しかし、妙齢の男性が、白馬の王子様ぶったりかわいいものぶったりせざるを得ない局面 というのは、口汚く世界そのものを罵って呪詛を振りまきたい盛りの思春期女子が、おしとやかで清楚な女の子ぶることと同じ程度、矯正技術を必要とするだろうことは想像に難くない。
アイドルの売り上げ競争を残酷ショーと称するならばアレと同等の痛みも伴うものだと思う。
V系バンドマンは握手してチェキ撮って営業して、笑って笑って笑って笑って、すごくがんばっている。
そんな可愛げだとか 親しみやすさだとか したたかさだとか それが目玉商品たりえる世相を獲得した昨今のシーンには、えんそくの尖りっぷりは異形として映るかもしれない。
なにしろ、よそのバンドでは幕の後ろに透けて見える バンギャ心理に強い企画・営業担当が、えんそくのどこに目を凝らしても影も形もない。
沢山お金を稼いでバンドを消費せんとするオトナのシルエットさえよく見えない。
ものを売ることに重きを置いていないのであろう運営の有り様も、この尖りっぷりの一翼を担っているように思う。
受動的にやらされているのではなく、能動的にやらかしているのが彼らのスタイルなのだとしたら。
それは人気商売ではなく、芸術活動の範疇だ。
異端だ。畑が違う。
けれど、いつの時代も流れを変えるアイコンは思いもよらない姿形を持って登場する。
新鮮さもまた武器たりえる。
えんそくの産み出す作品は、このつまらない世界に衝撃を与える。
我々は戦闘員だ。
戦場を決めるのは事務所が指し示す指の先。
先導や扇動を決め込むのはバンドの放つ音圧。
総統閣下による始まりの合図を 肌で感じたなら、
日頃貯めたストレスゲージに火花を灯し、あとは現場の爆発力に身を任せ、狂騒の限りを尽くすのみだ。
swで初めてご覧になって、
えんそくってなに?w
と思ってググっている内にたどり着いた他バンギャの淑女のみなさん。
こんばんは、戦闘員カフカです。
えんそくってなに?
えんそくですか。
えんそくとは、バンドであり現象です。
メンバーさんのことは、
求道者として世界を旅して理想郷を探し求めても居場所なんかなかったハミ出し者のヘンテコ楽団は、
資本主義のアメリカさんが産んだ救いのない寓話よろしくペテン師となって誰もが幸せな夢の国をでっち上げでみたものの気に食わず、
それまでの生に幕を下ろしお葬式をあげ、
真っさらな子供として生まれ直し曇りなきまなこで見定めた感じ、相変わらず下らないつまらないことだらけの現世には愛想が尽きて建国を決意、
旗を立てて舌を出し、この世界に戦争をしかけることにしました。←イマココ
みたいな作品を作っている最中の方々、だと思ってます。
長くって読まなかった人、こんにちは!
いいです。長々書いたけれど、全然ちがうかもしれません。
過去にはシッダールタ寄りの神の軍勢だったり、オズの魔法使いの映画化権利を手にする為に血道をあげたウォルト氏の世界観を体現してたりしてたこともありましたから。
なんにせよ、そろそろこの世界は終末期に入り、ハルマゲドンがやって来そうです。
しかし、過去の作品に 『新世界』というのが予めあるので、これから先どこに向かうのか予測不能で観客はプスンプスンしています。
お花畑の新世界じゃないのか…?
なんのことだかサッパリかとは思います。
えんそくの持ち味である なんなのかヨクワカラン衣装、その世界観が意味するところを繋げると物語が見えて来ます。
また、すんごい前に張り巡らされた伏線が最近回収されたりする細工の繊細な 歌詞 が、この行く先を暗に示していたりするかもなので、
考察厨にうってつけです。
確かに、やることなすことソリッドで ライブの盛り上がりは明らかにキチっています。
でも、音圧にもの言わせて圧倒して、狂ったように躍らせるだけが芸ではないのです。
ただ、うちの総統閣下が、その辺でインテリぶるのをなんか厭うのか、対外的に全く知られていないのが嘆かわしいので言わせてください。
えんそくは、世界を救うつもりでいます。
そして意外と文化系です。
思ってたんとちがいます。
個人的には、アート系腐女子にふわ…っと広がって pixiぶ あたりで一集落出来上がる日を心待ちにしています。でぃおーらのように…†
swの凄さというのは、客席に内包する浮遊層の厚さだと今一度言わせてください。
通うバンド探してるバンギャなんて、普段の対バンにまずいないです。
ふつう今日お目当てのバンドに通ってるがゆえに、貯金がないですから。
通常そこからお客を抜いてくるなんて神業すぎるとおもうんですよ。
しかし、swはちがう。星子さん動員とかいる。浮いてるぜ。かんぺきにな。
そんな方々に、オススメしたいですえんそくさん。
あんなバンギャのど真ん中なイベントで、えんそく終演後高い声でどよめきが起きたのを聞きました。
同じ空間にいて感じました、あれは好意をはらんだ色めき立ちだったように思います。
swの客層の面々なんて、大っきいとこからどマイナーまで、生で面白いV系を見かける機会なんかいっぱいあったと思うんです。
その層が新鮮な驚きに包まれた今回の興行は、想像の遥か天空を行く好感触で、戦闘員側も度肝を抜かれています。お互い様だな。
まずはなんせ幕が開いて上手にトカゲがいて驚かれたかと思います。
彼は、ミドさん。山梨出身。
上手ですがベースです。マイペース担当かと思いきや、仕事できる人感の垣間見えるリーダーです。物販のオマケで貰える何となしに狂気を感じるフリーペーパーの編集もしておいでです。女装が似合います。
下手にいらした銀髪の 速くて偶に肉眼で捉えられない方のギターが、
クラオカユウスケさん、青森出身。
アメブロで検索かけいらっしゃる時点でもうご覧になったかと思いますが、非常に神秘的なようで芯の通った文章を紡がれるブログ担当です。神々しいです。
下手のなぜこんな賑々しい場にいらっしゃるのか定かではない 謎の 色っぽい ちゃんとしている女形さん。
ベースの位置にいらっしゃる彼がJoeさん、ギターです。宮城出身。
現在サポートの方にお任せしているドラムポストには、大分出身の稔さんという、多角的にパンチの効いた面々を支えつつ、音が前に出る時は目を見張る華やかさのドラムを叩く、職人肌で仕事の丁寧なドラマーさんがいらっしゃいます。
行く行くは、綺麗でスタイルがイイおねーさんは大体稔さんファンだね。ってことになってく予定のルートにいらっしゃる気がするドラマーさんです。
あるあるだと思うんですけど、地方ギャは地元かぶると嬉しいですよね。よろしくお願いします。
そして、東京都出身、総統閣下ことぶうさん。
新横浜のsw一発目でまさかの宗教感。
悪の秘密結社で戦闘員でバンスバンスバンスバーンス!
ぎょっとされたかと思います。
ただ、たまに催される救済に重きを置いたコンセプトワンマンではもっとすごいです。
春ツ名古屋なんか終演後、お客は皆一様に高揚して、泣いている人もいればマシンガントークで衝撃を露わにしている人、茫然自失のていの方もいらっしゃったりしたんですが。
その仕掛け人が彼です。
えんそくライブでは、インパクトのある情報量が多いので。曲のかっこよさはライブで聴いて頂いて一発、二発、三発目位で聴こえてくると思います。
コンポーザーは現行ギターのお二人、通称:ホモズがメインですが、他のメンバー作のものや、全員で作っている曲もあり多彩です。
気付いてしまうとやたら かっこいいです。
ただ、歌詞を読もうという段階までがなかなか遠いのではないかと思うので、ちょっと推させてください。
ぶうさんの歌詞には、殆どぶうさんの中の人が出てきません。
個人的に彼の仕事は、声を用いた楽器であるのと同時に、えんそくが成すあらゆるものに意味づけを任された ストーリーテラー なのだと捉えています。
よりよい生き様をコンサルしてくれるその手法から、トータルライフアドバイザーなんて叶姉妹の肩書きにも意外とハマってしまうかもしれないですが。
それこそ団体の象徴たる総統閣下というのは言い得て妙だとおもいます。イー。
近頃はTwitterなんかでの顧客との交流っぷりまでがパフォーマンスとして重視されるご時世ですから。
中の人 先行型の人物を読ませるコンテンツには事欠かない世相かとは思います。
顰蹙の扱いに長けるプロの毒舌家を目指してらっしゃるのかな。
ライクアタケシキタノなのかな。っていう我の強そうな尖り方をしていることはありますが。
歌詞を検めてみると、彼は筆者に徹しているんですよね。
アイウォンチューとかアイニージューとかそういう個人の色香で惑わすような戦法を排して。
産まれた時からマイノリティで、マジョリティに混ざりたくなったりすることもあるんだけど、なかなかうまくいかないし、居直りできたらいいんだろうけど、自分の欠陥は自分のせいだと思っているからなかなか自分のミカタになれずにいて参っているアンニュイな生き物。
まるで私たちみたいのを、めでたしめでたしに導く寓話を、いくつもいくつも綴り続けている。
誰がどうみてもハッピーエンドのもの ばかりではないかもしれないけれど。
ぶうさんは多分ある程度本気で
と太鼓判を押してくれていて、バカで気高い生き物の耳に届くように歌っているんだろうなー。と思うんですよね。
でもね、バンギャからしたら、これ以上なく救済されてしまったりもするんですね。
愛するカリスマが自己の解放の為に自殺した夏になると、やっぱり死にたくなるようなバンギャに。
メンヘラの親の元でそうなるまいとして育ったものの、大人になってみたら大して変わらない生き物になっていて愕然としているバンギャに。
何者でもない自分が恥ずかしくてただただやってられないバンギャに。
生まれ落ちたからには生きる。人生に意味なんてない。ってことがたまに苦しくてしょうがないけど、それでもただぼおっとして笑っているバンギャに。
そこに声が届くようにと、万人にわかり良いものを売れ線とするならば、その全然逆をいく路線をシュッシュして下さってるんだと思うんです。
こんなに濃いぶうさんに、ライブ中けして引けを取らない存在感を放つ 他のメンバーさんの存在感っておかしいんだと。
ぶうさんが他所のバンドさんに混ざると粛々と実感します。
あんなに濃いボーカルさんがいたら、ぶうさんとその楽団の皆さん になって当然なんですよね。
そこがえんそくさんのすごいところで、ライブ中にせよインタビューやインストにせよ、全員揃い踏んだ時のオールスター感が、並々ならないです。
だから、今は 楽しみにまってるんです。
ただ、ライブ感を体感して欲しいからと 昨今地方ギャ導入ツールとしてその効力を発揮する ネット動画がほとんど無いんで。
ライブ映像かPV…が、もう少しあれば…もっと…布教も…チケットって…そこそこお高いから…音源だけだと…なかなか…おながいします…
と思ってはいますが嘆いてたって始まらない。
だから口コミしかないと思いました。
V系バンドは総合芸術であり。
芸術にとって数字は価値そのものではあり得ないけれど、
数字は説得力たり得ます。
説得力は大事です。
寓話じゃないですが、ペテン師が救世主にジョグレス進化できるのはそこに信者総数という説得力が追い風になるからです。
どんな進歩だって、一線を越えることが必要だ。とレオナルド・ダ・ヴィンチも言っていたそうです。
えんそくさんは、知る人ぞ知る という一線を越えて、売れようかなって9年目にしてようやく本気出したバンドさんです。
いろいろ言いましたが、一夏の思い出の記念に、
よかったら、名前だけでも覚えて帰ってください。